【特別お題】切なくて、でも前向きになれる映画
夏と言えば、青空にもくもく雲、そして響く蝉の声。そんなシーンを思い浮かべると、ちょっと切ない気分になります。子供の頃の「夏休み、終わっちゃうのかぁ…」という気持ちが心のどこかに残っているんでしょうね。
そんな私の夏の映画は、切ない気分になる『夕凪の街 桜の国』。もともとは、こうの史代さんの漫画で、原爆が落ちた後の広島を描いた作品です。
この映画は二部構成になっていて、第一部の主人公を麻生久美子さんが、第二部の主人公を田中麗奈さんが演じています。
第一部は、原爆の被害にあうものの、生き残った女性のその後のストーリー。助かった後にも残る心の傷・体の傷について、恋愛模様を交えながら描いています。
第二部は、舞台は変わって現代の東京から話がスタート。最近父の言動が怪しい、と父を尾行する…という、どの辺りが第一部と繋がるのか最初は???。しかし、しっかり第一部につなげてくれます。そして第一部の切なさを、前向きな気分に変えてくれるストーリーです。
ネタバレになると嫌なので、ほんの概要しか書きませんでしたが、「切なくて、でも前向きになれる映画」です。 そして、私の心残りになっていた広島旅行を後押ししてくれた作品でもあります。
この映画の舞台も夏ですが、私がこの映画を見たのも夏でした。終戦の日が8月15日なので、子供の頃、夏休みのテレビでは戦争関係のアニメや映画をよくやっていました。
そんな風に毎年、戦争の映画を見ていたせいか、原爆や戦争について興味を持つようになりました。高校の修学旅行で訪れた広島平和記念資料館では、一つ一つの展示を見学するのに時間をかけすぎて、結局時間が足りなくなり、前半のほんの少ししか見られませんでした。
それから何年もたった後に見たこの映画をきっかけに、映画を見た数日後、広島へ一人旅へ出かけました。資料館は高校生当時とは展示内容が変わっていて、とても残念でしたが、ゆっくりと見学することができました。
広島から戻った後、原作のコミックスまで買ってしまいました。
万人受けはしませんし、作品中の描写に賛否両論あるみたいですが、戦争に興味がある方にはぜひ一度見ておいてもらいたい作品です。
以上、特別お題「夏の《映画・ドラマ・アニメ》」でした。